トルコとシリア国境の町で結婚式の最中にテロが起こった理由

本日は、その背景を説明します。

 そもそも、なぜ800kmもあるトルコとシリア間の国境の内、約100キロ弱が開放されてい流のか。

なぜイスラム国、アルカイダの武器・兵士輸送ルートとして機能していたのか？

元々、クルド人勢力（通称YPG：クルド人民防衛隊）とトルコは長年対立しています。

つまり、嫌いな連中が自治している地域が国境沿いで影響力を強めていることがトルコは気に入らない。

だからトルコは、当初はイスラム国・アルカイダ（ヌスラ戦線）の兵士を利用して、対立するクルド人勢力と戦わせていました。

しかし、ロシア側からの依頼によって国境を閉鎖して、イスラム国・アルカイダのシリアへの国境輸送ルートをつぶさなければならなくなったトルコはこう思っています。

「おいおいロシア！大嫌いなクルド人を、こっそりイスラム国・アルカイダの兵士を使ってやっつけようと思っていたのに、秘密の国境ルートを閉鎖してしまえばシリア側ではクルド人と戦ってくれる兵士がいなくなってしまうじゃないか！！」

一方ロシアのプーチン大統領は、こんな風にトルコが考えている事はお見通しなので、直接クルド人勢力と話をつけようとしています。

『クルド人民防衛隊の皆さん。もっと西側まで制圧して自治区を広げて、北部を統一したいのは分かるんだけど、あなた達が領土を拡大すると、トルコが国境を封鎖してくれないんです。

ここは一つ、撤退してくれませんか？もしこの条件を飲んでくれたら、シリア国内のイスラム国・アルカイダは責任を持って殲滅します。そしてシリア内戦を終結させますから。ね？　Manbij（シリア北西部）のイスラム国の連中を掃討したら、撤退してくれませんか？』

ってことです。

※シリア国内でクルド人勢力がおさえている地域

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