英語ができるようになると、世界の動きをより一層構造的に捉えることができる
ようになる機会に恵まれます。
例えば中東において米国が果たす役割は低下し続ける一方で、
たとえば現在も続いているシリア国内の内戦。
最近、ロシアがトルコにこんなお願いをしました。
(ロシア)
『ねえエルドアン大統領(トルコ)。
ISISとアルカイダを倒すために、国境を封鎖してくれよ。
そうすれば奴等は、兵士も武器もお金も、
シリア国内に輸出できなくなるからさ。』
で、実際にトルコがシリアとの国境を封鎖し始めました。
国境封鎖のおかげで、シリアのアサド政権を倒そうと戦いを続けてきた
アルカイダ(主にヌスラ戦線)やISIS(イスラム国)の負けが近づいています。
トルコとシリアの国境は800キロほどあるんですけど、
その内100キロほどは空いていて、そこを経由してシリア国内にISIS、アルカイダ向けへの兵士と武器が輸出されていたのです。
(参考)Turkey’s change of Heart Toward Syria Crucial Step to End War
記事によれば、トルコの対シリア政策への変化により、シリア内戦終結に大きく近づいているみたいですね。
なぜならば、国境を封鎖されてしまうとISIS(イスラム国)やヌスラ戦線(アルカイダ)の兵士が、シリアで行なわれている戦争に参加することができなくなってしまうからです。
不安が高まるトルコ国内の治安
聖戦(ジハード)に参加できず不満が溜まった彼らがとる行動は何でしょう?
トルコ国内での自爆テロです。
彼らは暴力で自分たちの存在を誇示し、世界中にアピールするのです。
Sputnik newsの他記事でも同様の指摘がなされていました。
(参考)Turkey Needs Political Will to Lockdown Border With Syria
そんな事を毎晩ベッドで考えていたら、その数日後。
あまりにも分かりやすいタイミングで自爆テロが発生しました。
しかも場所はトルコ南部のシリア国境付近。
トルコ人の友達も近くに住んでいるので、本当に心配です。
結婚式の会場。。。無くなった方の無念さを思うと、言葉になりません。
(無くなった人は50人以上。その内の半分が未成年の子供だそうです。)
背景を理解している人にとっては分かりやす過ぎるほどのタイミングと場所です。
(参考)結婚式中に爆発51人死亡 トルコ ISか、子に爆発物(朝日新聞デジタル)
今回の事件が意味する、ISIS,アルカイダ(ヌスラ戦線)のメッセージはこうです。
ISIS
「おい、結婚式で自爆テロをやったぞ。意味わかるな?トルコとシリアの国境を封鎖をキャンセルしろ。国境封鎖したら、トルコ国内に潜伏している俺たちがシリア内戦に参加できなくなるじゃないか。」
依然として、トルコ国内で国境封鎖に対しての抗議の意味をこめたテロが起こる可能性は十分にあります。
したがって、国連が治安維持、国境監視のための派遣団を送り込もうかという計画すら持ち上がっていました。
なぜ、このような悲惨なテロが起こってしまったのでしょう?
次の記事では、その背景を自分なりに分かりやすく解説しました。
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