デブカ・ファイル紙は、「モサド」の通称で有名な、イスラエル諜報特務庁(イスラエルの情報機関)のウェブサイトです。
モサドの名前の由来は、組織・施設・機関を意味するヘブライ語の「モサッド」から。作家の某落合信彦氏の著書等でも有名なように、モサド関連の書籍は多数出回っています。
その隠密性から、我々からすればスパイの中でも非常に洗練され、ミステリアスな組織であるという印象を受けますね。
友人に、CIAにスカウトされたことのある男性が居ます。「真相は本人のみぞ知る」ですが、彼は高身長、容姿端麗で,3ヶ国語のネイティブスピーカーです。
で、隠密行動を求められる組織の訓練内容とかものすごいキツそうでした。
ちなみにMr.モサドという呼び声の高い2代目長官の、イサル・ハルエル氏のインタビューでの発言を聞くと、スパイに求められる資質たるや、想像するだけで背筋が凍るほどぞっとします。
[voice icon=”https://jpenglish.com/wp-content/uploads/2016/11/isar.jpg” name=”Isar” type=”l line”]「私の部下たちがやっている仕事と比べると、007なんて幼稚園児の遊びのようなものだ。
自分から志願してくるような者はダメ。ジェームズ・ボンドに憧れてモサドに入りたいという者は、仮に敵に捕まって厳しい拷問を受けたら、あっという間に吐いてしまう。
まず必要なのは、人間としての尊厳と正直さ、そして何より愛国の心だ」[/voice]
淡々と応募資格を語る感じ、なんか恐いっす。
ちなみに、彼の他にも、シリアにモサドのスパイとして潜入して多くの政府高官と付き合い、シリア国防相になる直前で逮捕されたエリ・コーエンは、全身をカミソリで切り刻まれるなど酷い拷問を受けたそうです。
モサドってどんな事やってるの?
ググってみると、こう書いてありました。
首相府管下にあり、対外諜報活動と特務工作を担当。長官は政治任命で決定され、基本的には2期8年まで務める事が出来る。
活動の根拠となる法律が存在しないため、法的には存在しない組織ともいえる。
情報収集、秘密工作(準軍事的な活動および暗殺を含む)および対テロリズム活動、逃亡している元ドイツ戦犯やテロリストの捜索などをおこない、その焦点はおもにアラブ国家などの敵対国にむけられ、組織の拠点は世界のいたるところに存在する。
モサドは、「民間のサービス」という名目でスタッフはすべてイスラエルの徴兵システムの一部としてイスラエル国防軍に採用されるが、軍隊の階級を使用しない。
局員の採用に非常に神経を使っていることで知られ、採用の対象となった人物がスパイとして適格か否かを判断するまで平均3-4年という時間をかける。採用の対象となった人物は知能・知性を中心に、品性、社交性、思想、体力などありとあら
ゆるデータを徹底的に精査されるという。また、それらのうちの多数は士官である。世界各国に在住するユダヤ人の人脈もある。
Wikipediaより引用
簡単に言えば、国を守るためのスパイ活動ですね。
で気になりませんでした?
[aside type=”warning”] 世界各国に在住するユダヤ人の人脈もある。 [/aside]
これですよ、ステルス(透明)の協力者が世界中に散らばっているのです。
モサドの強力性を示すのが、彼らに共鳴し、自発的に協力する「サヤン」と呼ばれるイスラエル国外のユダヤ人の存在。
全世界中に数万人存在するといわれています。
あるサヤンが不動産屋なら、個人情報を一切記入せずとも部屋を貸し出してくれる。
あるサヤンが銀行屋なら、すぐに金を貸し出してくれる。
そういう仕組みが確立されているそう。
米国のCIA、英国のMI6に並ぶ、最強のスパイ部隊。
良いか悪いかは別として
敵国の脅威を取り除くためにだったら、何だってする。
その為には暗殺をも厭わない覚悟と忠誠心。
そう思えるほど大切なものがある者は強いですね。
標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)
この本かなり面白かった。
文のリズムがいい感じで、ついつい寝るのを忘れて読み進めてしまい寝不足に。
1972年9月、PLOの過激派「黒い九月」がミュンヘン五輪選手村を襲撃し、イスラエル選手団の一部を虐殺。
同胞を殺され憤慨するイスラエルの秘密情報機関モサドは暗殺チームを編成。
アラブ・テロリスト指導部の11人を次々に消して行く…。
今は本名を変えて米国に住む、元暗殺隊長の告白に基づく凄絶な復讐の記録。
冷徹な組織の論理と揺れ動く個人の心理をドラマチックに描出する。
Amazonのカスタマーレビューに、激しく共感するコメントを発見。
私は「24 Twenty Four」が好きなのですが、本書冒頭で開示されるモサドの方法は、今風のドラマとは正反対です。
パワフルな9ミリ弾をばんばん連射する「24」に対し、モサドでは「安全装置のない小さなベレッタ22口径、弱装弾」を使う。
「人間が相手ならこれで十分だ」と。
そして「銃を抜いたら必ず撃て。撃つ以上、必ず相手を倒せ」。
銃を威嚇に使ったりはしない。殺す必要がないなら財布を渡してでも、殴られてでも、銃を抜くな…。
そして引き金は必ず2回引く。「忘れるんじゃないぞプスン、プスンだ」。
リアルでしょ。もう一度読みたくなってきた。