日本語には「光陰矢の如し」という時間に関する諺があります。
その通りです。我々が老人になった時にはネットに
人生の時間経つの早すぎワロタwwww
とか言ってるんでしょうかね。
ちなみに「なぜ人は年をとるに比例して時間の経過が体感時間で短くなってしまうのだろう?」という疑問は世界共通のようです。
19世紀にはフランスの哲学者がこの現象に名前をつけています。
ジャネーの法則ジャネーの法則(ジャネーのほうそく)は、19世紀のフランスの哲学者・ポール・ジャネが発案し、甥の心理学者・ピエール・ジャネの著書において紹介された法則。主観的に記憶される年月の長さは年少者にはより長く、年長者にはより短く評価されるという現象を心理学的に説明した。出典…ジャネーの法則 – Wikipedia
理論上人間は20歳の時点で人生の記憶蓄積の7割を終える
このジャネーの法則。
一言で言えば、「生きている時間が長ければ長いほど、過去の記憶の蓄積があるので、直近の1年間の体感時間が短く感じる現象」です。
難しいこと言われなくても私たちも普段これは感じてますよね。
心理学的には、年を重ねると、目にするもの耳にするものがこれまでの蓄積された知識や経験の範囲から外れたものではない(想定内)のものばかりなので、強く記憶に残る体験は珍しくなり、結果的に
「あーもう1年経っちゃったのか。そんな驚きのイベントとかなかったな」
と感じるわけですね。
この理論の正当性を数学的に補完するとこうなるでしょう。
日本人平均寿命は83歳。これを積分する
比例定数を1とし、X軸を年齢とし、Y軸は年齢の時に感じる年間の時間を求めるためにy=1/Xという式を考えます。
ただし、0歳児(x=0)は体感時間が求められないので
y=1/(X+1)を積分してみるとこうなりました。
10歳時点での人生の体感時間=2.397895272798371
20歳時点での人生の体感時間=3.044522437723423
30歳時点での人生の体感時間=3.433987204485146
40歳時点での人生の体感時間=3.713572066704308
50歳時点での人生の体感時間=3.931825632724326
60歳時点での人生の体感時間=4.110873864173311
70歳時点での人生の体感時間=4.262679877041315
83歳時点での人生の体感時間=4.430816799
(寿命83歳)人生体感時間を表にまとめるとこうなる
人生の体感時間
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X軸
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Y=1/(x+1)の積分値
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体感時間(%)
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10歳
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2.397895273
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54%
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20歳
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3.044522438
|
69%
|
30歳
|
3.433987204
|
78%
|
40歳
|
3.713572067
|
84%
|
50歳
|
3.931825633
|
89%
|
60歳
|
4.110873864
|
93%
|
70歳
|
4.262679877
|
96%
|
83歳
|
4.430816799
|
100%
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ものすごい乱暴にまとめると、人は10歳の時点で50%、成人した時点で70%人生を終えているということです。
要は、成人した若者は、人生で体験することを、それまでに蓄積した7割の記憶をベースに判断することになります。そう思うとアインシュタインの格言がとても深い意味を帯びていることに気づきます。
Common sense is the collection of prejudices acquired by age 18.
常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。
- Albert Einstein (アインシュタイン)
There are only two ways to live your life. One is as though nothing is a miracle. The other is as though everything is a miracle.
人生には、二つの道しかない。一つは、奇跡などまったく存在しないかのように生きること。もう一つは、すべてが奇跡であるかのように生きることだ。
- Albert Einstein (アインシュタイン)
ま、若い時に体験する衝撃や、出会いが人生の大まかな方向性を決定づけるのでしょう。
ただ、辛い時、うまくいかない時に奇跡を起こす確率を高めるために、何事も行き当たりばったりではなく、実績に裏打ちされた理論やモデルを意識的に学んでおくことで、人生を時間を浪費しないように心がけて生きたいものです。